2014年7月15日火曜日

光触媒ガラスの『光酸化分解反応』

保育園へ地下鉄で通園している1歳の息子は、
最近、階段が大好きです。

せっかくエレベーターやエスカレーターがあるのに、
一目散に階段へ向かいます。

『ワンツー、ワンツー♪』と言いながら、
テンポよく昇り降りしています。

時々、立ち止まったりすると、
疲れたのかな、と思って、"抱っこする?"と聞くのですが、
首を横に振って、また黙々と昇りだします。

というわけで、帰りはなかなか家に辿り着きません…


さて、『光触媒ガラス』の二大機能のうち、『光酸化分解反応』のお話です。

この機能のおかげで、"汚れが分解される"のですが、
なぜ、光があたるだけで、汚れが分解されるのかというと、
ざっくりいうと、

『光があたることで、"活性酸素"が発生して、
活性酸素が有機物を酸化して、分解する』

というしくみです。

光があたると、
光のエネルギーを吸収して励起電子が発生して、
電子が抜けたところは穴(正孔)が残ります。

酸素は励起電子ととても反応しやすくて、
励起電子と反応して電子をもらい(還元されて)、
活性酸素となります。

励起電子と正孔がすぐに再結合してしまうと何も起こらないのですが、
二酸化チタンの場合は、再結合するまでの時間が長いので、
光触媒として使えるそうです。

二酸化チタンから発生する活性酸素には、
 O-(原子状酸素)、O2-、O3-
があります。

酸化力が一番強いのは原子状酸素で、
有機物を完全に酸化することができます。

汚れの成分はほとんどが有機物です。
有機物は完全に酸化されると、水と二酸化炭素になります。

つまり、光触媒のおかげで、
汚れがきれいさっぱり消え去るわけです。

ちなみに、原子状酸素以外の活性酸素では、
有機物を完全には酸化することができません。

原子状酸素あってこその、光触媒のセルフクリーニング機能なのです。


ただし、分解できる汚れの量には限界があって、
大量の汚れを分解することはできないそうです。

ですが、光触媒には『超親水性』という、
もう1つの優れた機能があります。

『光酸化分解反応』である程度汚れを分解し、
『超親水性機能』で汚れを浮き上がらせて洗い流す、
というように、うまい具合に2つの機能が協力し合って、
効率良く汚れを落として、セルフクリーニングしているのです。


ちなみにこの光触媒技術は、日本生まれの技術だそうです。
いろいろな用途の可能性があるようで、どんどん普及するとよいですね。
なんてったってエコですから。

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